ナベクラザゼンソウ

概要

ナベクラザゼンソウは、サトイモ科の多年草で、氷点下でも花を咲かせることで知られる珍しい植物です。早春、まだ雪が残る頃に、独特の臭いを放ちながら、仏炎苞と呼ばれる暗紫色の大きな苞の中から肉穂花序を出します。その姿は、まるで土中から僧侶が座禅を組んでいるように見えることから、この名が付けられました。日本では希少種であり、主に冷涼な湿地に生育します。環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、保護が必要な植物です。独特の臭いは、受粉を助ける昆虫を呼び寄せるためと考えられています。生育地では、その独特な姿と早春の開花が、人々を魅了しています。