シマツレサギソウ

概要

シマツレサギソウは、絶滅危惧種に指定されている希少なラン科植物です。小笠原諸島固有種で、その可憐な姿から人気を集めています。細長い茎の先端に、白い小さな花を多数つけます。花は唇弁が細長く、距と呼ばれる蜜腺を持つのが特徴です。他のツレサギソウ属の植物と同様に、夜間に強い芳香を放ち、スズメガなどの夜行性昆虫を誘引して受粉します。生育環境は限られており、森林内の湿度の高い場所に自生しています。近年、開発や外来種の侵入などにより個体数が減少しており、保全対策が急務となっています。その美しい花と希少性から、植物愛好家だけでなく、広く自然保護への関心を高める役割も担っています。