ナガサルオガセ

概要

ナガサルオガセは、樹木の枝などに垂れ下がる、糸状の地衣類です。その名の通り、非常に長く伸びることが特徴で、数メートルにも達する個体も存在します。灰白色から緑灰色をしており、全体に細く、枝分かれした独特の姿をしています。古くから薬用や染料として利用され、特に、咳止めや去痰薬としての効果が知られていました。しかし、大気汚染に弱いため、近年は生育数が減少しており、希少な存在となっています。清浄な空気の指標生物ともされており、その生育状況は環境の質を表すバロメーターと言えるでしょう。美しい見た目と歴史的・薬理的な価値を持つ一方で、繊細な生態系を持つ貴重な地衣類です。