クロヒカゲモドキ

概要

クロヒカゲモドキは、タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に属する蝶で、日本の本州、四国、九州に分布しています。翅の裏面は枯葉のような複雑な模様で、保護色として非常に効果的です。翅の表は黒褐色で、縁に沿って白い斑紋が見られます。やや暗い林縁や林内を緩やかに飛び、地面に降りて吸水する姿がよく観察されます。幼虫は、イネ科植物を食草とし、早春から初夏にかけて見られます。成虫は春から秋にかけて発生し、年2回発生すると言われています。他のジャノメチョウ類と比べると、やや小型で、落ち着いた飛翔をするため、観察しづらい一面もあります。しかし、その独特の模様と、静かに佇む姿は、自然の中でひっそりと生きる美しさを感じさせます。