サカネラン

概要

サカネランは、菌従属栄養植物として知られる珍しいラン科の植物です。葉緑素を持たないため、光合成を行わず、菌類から栄養を得て生育します。そのため、暗い林床に生育し、全体が淡褐色をしています。鳥の巣を思わせる独特の根茎が特徴で、そこから和名も付けられています。日本では主に北海道から本州に分布し、山地の落葉広葉樹林の林床などに生育していますが、個体数は少なく、絶滅危惧種に指定されている地域もあります。花期は初夏で、淡黄褐色の小さな花を多数つけます。その希少性から、観察する際には、生育環境を保護する配慮が必要です。